この3月、ブータンのツェリン・トブゲ(H.E. Dasho Tshering Tobgay)首相が8年ぶりに来日。
トブゲ首相と高市早苗首相の首脳会談(3月13日)が行われ、高市首相は「皇室・王室のつながりや経済協力など長年築いてきた両国関係を一層強化していくことでトブゲ首相と一致しました」とした。また、「ブータンの自律性・強靱性を強化し、同国の安定と繁栄を確保していくことが“自由で開かれたインド太平洋”の実現に向けて重要であり、日本はそのための協力を引き続き行っていく考えを私から伝えました」と続けた。

笑顔を絶やさないトブゲ首相
(3月16日、於:東京、JETRO本部)
写真撮影=©KazunoriShirouzu
高市首相はブータンの社会・経済開発を通じた強靱性の強化に向けた協力として、ブータンの首都ティンプー近郊の「王立感染症センター」建設を日本政府が支援、感染症対策分野の人材育成、医療サービスの山岳部アクセス問題などへの対処、医療関連機材(MRI、CT、救急車など)の供与、遠隔胎児モニターによるAI自動診断の普及への取り組み、日本企業によるAIデータセンター構築に向けた地方実証事業実施などを明らかにした。
トブゲ首相は1965年9月19日生まれ、60歳。米ハーバード大学卒業後、ブータン教育省や労働省での官僚経験を積み、2008年国民議会選挙で当選、国民民主党(PDP)党首となる。
2013年7月国民議会選挙でPDPが47議席中32議席を獲得、首相に就任。2014年6月29日に来日。
2018年9月15日国民議会選挙で野党に転じたが、2023年/24年の国民議会選挙でPDPは47議席中30議席を獲得、政権奪還を実現、再び首相に就任している。

写真撮影=©KazunoriShirouzu
今年は日本とブータンの外交関係樹立40周年にあたる節目の年でもある。
ブータンは国の発展を図る指針として、GDP(国内総生産)やGNP(国民総生産)ではなく、 GNH(Gross National Happiness、国民総幸福量 ※)という指標を世界で初めて取り入れた国としても知られている。
(※ 1972年ブータンのジグミ・シンゲ・ワンチュク第4代国王が提唱し、その後、国の政策に取り入れられている)
(記・白水和憲)